オーバランドの本場、オーストラリアで生まれた大型展開型カーサイドオーニング『ECLIPSE 270』を手にすることができ、さっそく使用してみました。約一ヶ月間複数回にわたって使用してみた感想を記事にしてみました。
※使用している製品写真はDARCHE JAPANさんより許可をいただき転載させていただいております

『DARCHE』とは
DARCHE(ダーチ)はオーストラリアのビクトリア州に拠点を持つ会社で、多様なキャンプギアを製造しています。
現在は親会社である繊維製造の卸であるチャールズパーソンズグループの一員。DARCHE自体は26年前にオーストラリアで誕生した会社だそうです。(DARCHE JAPANさんサイトより)
日本では『SOLID JAPAN』さんが代理店として輸入販売を行なってくださっています。
この『SOLID JAPAN』さんの取り扱いはペリカンケース、フロントランナーなど多岐に渡っており、今後私もたくさんお世話になりそうです。
SOLID JAPANさんのサイトはこちら
DARCHE オーニング ラインナップ
DARCHE全体のシリーズ分類としては『DARCHE』『ECO SERIES』『KOZI SERIES』の大きく3シリーズがあり、それぞれに特徴がある製品が展開されています。今回は通常(DARCHEで最高の記事を使用)の『DARCHE』シリーズについてお伝えしていきます。詳しくはDARCHE JAPANさんのホームページをご確認ください。
『DARCHE』はそれぞれのシリーズでオーニング、テント、スワッグテント、チェアなどさまざまな製品が販売されています。今回は『DARCHE』シリーズからオーニングのみを紹介し、その後ECLIPSE270についてのレビューを書いていきたいと思います。
ECLIPSE AWNING

ストレートタイプのカーサイドオーニング 2mと2.5mの2種類があります。
2.5mタイプの先にはXTNDER2.5というオーニングの先に専用のテント?も連結させることができます。これがまたかっこいい!!
オーニングのエクステンション(別売り)を利用することで、さら展開面積を拡張することもできます。

ECLIPSE 180

車の側面に180°展開するモデルとなっています。270°までは必要ないという方はこちらでもよいとおもいます。もちろんこのオーニングもサイドウォールが販売されています。
ECLIPSE 180 REAR

車の後ろに180°展開するモデルです。先ほど紹介したもののリアバージョンです。リアゲートを利用することがメインの方はこちらも選択肢としてはありだと思います。

ECLIPSE 270
今回購入した製品となります。オーニング界で最大の展開面積を持つ製品です。今回のレビューはこちらになります


ECLIPSE 270について
仕様
展開時サイズ:6Mx4Mx2.1M
展開時高さ:2.1M ※オーニング取り付け位置による
推奨使用高さ:1.6M~2.1M
生地素材:320GSM リップストップポリコットン
アウターカバー素材:ヘビービューティ600GSM PVC
防水性能:PU 1500mm Water Rated
梱包サイズ:2220mmx200mmm200mm
本体重量:23kg

総評(ファーストインプレッション)
いわゆる展開型ではない通常すストレートタイプのカーサイドオーニングに比べると、手間はかかる(展開は逆に非常に楽ちん)と感じますが、自分の車でのオーニング展開イメージを想像して購入する人は紛れもなく非常に高い満足感を得られると思います。
それだけこのオーニングを展開した時の姿は圧巻です。

良いところ
頑丈なヒンジ

展開型のオーニングは複数社から販売されていると思いますが、ヒンジが丈夫で1人で展開できるものはほとんどないと思います。(※特に日本で購入できるものとしては存在しない?知らないだけ?)
実際展開してみましたが本当にヒンジが頑丈な構造をしており安心感がありました。
ヒンジ部分の縦方向の動きには少しゆとりがあるようで、荷重がかかるとやや下方に展開アームが下がりますが、それをポールで下から支えることで展開アームが水平を保つことができます。これにより最大展開した際に幕を綺麗にピンと張ることができます。
前回の雪中キャンプで、DARCHE JAPANさんから「雪は重いのでヒンジの破損に気をつけてください」と注意喚起をいただきました。※その節はありがとうございました。
積雪が多いとやはり雪がタープ上部に積もり危険だと思い、1時間ごとに除雪してましたが、夜間のことを考え収納しました。積雪時では使用はしない方がよいと思います。

SOLID JAPANさんのYOUTUBEでも人がぶら下がることができるということで、ヒンジ付近に男性がぶらさがっている動画が出ていましたが、さすがに雪の重みなどアーム全体に重量がかかると破損の恐れがあると思います。
他社のオーニングと同様ヒンジへの過度な荷重はかけない方がよさそうです。
インスタで繋がっている方からの情報でエクリプス270の過度な使用でヒンジが破損したとの実際の声もありましたので過度な使用方法には気をつけたいと思います。
展開面積
DARCHEからは上述の通り、複数のオーニングが販売されていますが、展開オーニングは180°と270°のものがあります。
180にはサイドに展開するものとリアに展開するものがあります。
私はどうしてもラングラーのサイドから後方まで展開がしたかったので、迷わず270を選択しました。
結果、やはり270°展開にしてよかったと思います。それはなぜか、『迫力が違う』からですw 見た目の迫力が270°を選んだ理由の一つです。
もう一つの270°を選択した理由はサイドウォールを装着した際にシェルターとしての利用ができると考えたからです。
横着者の私はそもそもタープを設営する時間、テントを設営する時間と手間を減らしたいと思っているので、このオーニングをシェルターとして利用できればテントは必要ではないのではないかと考えています。
サイドウォールはまだ購入していませんが、いずれ購入し、シェルターとして利用したいと考えています。はたして、サイドウォールを取り付ける手間と、テントを設営する手間はどのくらい違うのか、気になるところです。購入したらここも記事に追加していきたいと思います。
生地の素材とその色味が良い
DARCHEシリーズは生地の色はベージュにオレンジのラインがアクセントになっているので、アウトドアにはもってこいの色だと思います。今流行りのアースカラーでもあります。とてもかっこいいです。
生地自体の話ですが、DARCHEシリーズの生地は320GSMのポリコットンで触るとわかりますがとても分厚く少しざらついているような丈夫な生地となっています。テントマークデザインなどで使われているTC生地に似ていると言えばわかりやすいかもしれません。そのTCよりもさらにもう少し分厚い感じがします。
DARCHEはDARCHEシリーズのオーニングがベージュっぽい色、エコシリーズは濃い緑?KOZIシリーズはグレーっぽい色味です。それぞれ素材などに特徴がありますが、色味もそれぞれ異なるので、見た目を気にされる方は色でのシリーズ選択もありかと思います。
車の色やカスタムの方向性によっても色の選択は変わってくるかと思います。個人的にはエコシリーズのダークグリーンのような色もとても素敵だと思っています。
豊富なオプション
今回チョイスしたECLIPS270ですが、その270でもいくつかのオプションが用意されています。
まずオーニングを大きなプライベート空間として使用することが可能になるサイドウォールです。サイドウォールは全部で3セット購入することで全面を覆うことができるようになります(全部で12万円ほど、、、)オーニングと合わせると30万円くらい、、高い、、。

またECLIPSE270のサイド部分をテントにする製品も販売しています。製品名は『RETREAT ANNEX』でDARCHE JAPANさんのサイトから確認できますが、これもものすごく魅力的な製品だと思います。いつかつけてみたいです。ただし取り付けにはオーニングフレームの一部に加工が必要とのことです。




残念なところ
※2023/4月追記 新発見 カビ
悪い部分の新発見なのですが、最近気がついたことがあります。
アウターカバーは雨を完全に弾くわけではない? 雨の日のあと、アウターカバーを開けると収納されているタープの下部がびっちょりではありませんか。広げると結構濡れていて、カビも増えてきています。これはやばい。
アウターカバーは雨を通さないと思っていたので、締め切ってましたが、雨の日の次の日はせめてチャックを少しあけて乾燥させなければいけないと思いました。
可能であれば晴れている日に展開させて定期的に生地を乾燥させるべきかと思います。
カビがついた部分のメンテナンス方法などはダーチジャパンさんに問い合わせを行い、対応をお聞きした上で記事に追加したいと思います。
チャックが硬い
2023年1月になってからの追記になります。
使用を継続していて最近気になるのは、本体収納のカバーのチャックが硬いことです。頑丈な作りになっているため頑丈なチャックになっているのはわかるのですが、収納時きっちりカバー内に本体が収まっていても結構完全に締め切るのに力が必要な場面があります。
サイドウォールととりつけるチャックも相当ごついので、きっちりチャックが閉まるか気になるところです。
オーニングの隙間※ 風や光を完全に遮ることはできない
ここを言ったら贅沢なので、残念なところであげるのが申し訳ないのですが、このオーニングを最大展開してサイドウォールを使用した場合、写真だとわからないのですが、車両前側とリア側の一番はじっこは隙間ができてしまいます。そこはサイドウォールをもってしてもオーニングの形状、車の形状の問題でどうしようもありません。
公式サイトなどでも冬でも暖気を逃さないと記載されていますが、ストーブなどを利用してもこの隙間から冷気は入ってきてしまうと思います。
公式などで使用されている写真はサイドウォール正面からの写真なので、反対側からの写真がないのでわかりにくいのです。
ですが何度も言いますが、そこは仕方がないことですし、ほとんどはオーニングで覆われているのでシェルターとしての機能は保てると考えています。ここについても実際サイドウォールを利用した際に正確にレビューしていきたいと思います。さらに暖気を逃したくない場合はサイドウォールに追加して『RETREAT ANNEX』を利用することが望ましいと思います。そうなるともはやテント設営する通常テントキャンプと変わらない手間がかかりそうですが、、、
付属ポールが絶妙に長い(車載時に困る)
ECLIPSE270のオーニングはアームに3本のポールがすでに備え付けられているため、展開時にはアームについているマジックテープをはがすだけで3本はポールを設置できます。
ただ他の3本のポールはアームにはついていないので、付属のポールを別の収納袋から取り出して設置する必要があります。もちろんポールを全てとりつけなくてもヒンジが頑丈なため問題なく自立します。急な風などの天候の影響を考えるとポールは立てておき、さらにガイロープも取り付けたほうがよいかと思います。
で、、。何が問題かというと、この付属ポールが長いんです!!絶妙に長いw 収納袋も当然長い!!
ポールを車内に収納しようと思うと、ラングラーの場合リアカーゴ内では横向きでも縦置きでも綺麗にはまらず、結局後部座席の空間を利用して置いています。もう少し短ければリアカーゴに横にしておくこともできるのに残念!!!まぁ展開時の高さが高くなるのでポールが長いのも仕方ないのです。
元々カーサイドオーニングは、タープの設営撤収が煩わしい、車内の荷物を減らしたいという理由で購入したので、ポールで車内のスペースが取られるのは大きな誤算でした。
購入前情報として載せていただけるとありがたいかなと思います。
※YouTube などでは情報を収集できるので、私が調査不足なだけなんですが、、
付属ポールに関する新情報2023/2/4
収納場所に困っていた付属ポールですが、先日ダーチジャパンさんから新しい情報をいただきました。
なんと、付属の予備ポールはケースごとアウターカバー内に収まるそうです。
エコシリーズはすでに付属ポールをオーニング収納後の上部に収納する場所がすでについているとのことで問い合わせしたところ、通常のエクリプス270もでるもオーニング収納後にベルトをしめた後上部に置くことでアウターカバーとの間に収納できるとのこと。さっそくやってみました。

たしかにフレームを格納した後その上部に空間があります。そこにポールを置くと見事に収まるではありませんか。

横から見るとこんな感じ。

見事にアウターカバーも完全に閉めることができ、カバー上部が膨らむことなく綺麗に収まりました。これで予備ポールの収納場所に困ることはなさそうです!情報ありがとうございます!DARCHE JAPANさん!
雪や雨がタープ上にたまりやすい
カーサイド型オーニングの特徴として懸念していたのは、通常のキャンプのタープと違い、タープの張り角度が調整できないことによる、雨や雪のタープ上での停滞です。
ECLIPSE270などの展開型オーニングの場合、展開アームの角度はほぼ水平となります。そのため展開後に雨や雪が降るとタープ上にそれらが停滞して、タープ全体、ヒンジに荷重がかかります。
雨であれば少し角度をつけるとある程度は流せますが、雪は確実に停滞しますので、降雪時には使用ができないと思ったほうがよいと思います。実際何度も何度も除雪していましたが就寝時はできないので、諦めて展開を解除しました。
雨や雪を防ぐ目的としてはやや弱点が残るかなといった印象です。使用している他の方々の意見も聞いてみたいです。
カバーへの収納にコツがいる、そして1人では結構きつい
予想はしていましたが。ECLIPSE270。収納が大変です。いや、慣れると割と簡単だそうです。自分がまだまだ経験が足りません。
Youtubeで収納の様子を何人もの方が出しているのそれを見て参考にしています。
まず、広がっているオーニングを折りたたんでいくのですが、一番大変なのはやはりオーニングのアウトカバーに収納する際です。それが結構大変です。
まず取り付け位置が高い。これは車の高さにもよるのですが、ラングラーとフロントランナーというラックにつけている私のオーニングはかなり高い位置にあります。
ですので収納はタイヤや、ドアヒンジステップに足をかけないと不可能です。(ラングラーの場合ですが)
足をかけてもオーニングは車体の側面についているので体勢がどうしてもきつい。
※車種によってオーニングの高さが違うのでこのあたりは車によってかなり異なるとは思います。
私の車の場合、足台が必要になります。
足台は車内におかなければいけないので、車内に荷物が増えますw
車内の荷物を減らすはずが、ここでポールと足台が増えるというw
まぁメリットの方がでかいので個人的には大満足ですが♪
本体重量23kg
通常カーサイドオーニングに比べて、展開型は幕の広さ、頑丈なヒンジ、アームの数で重くなりますが、このオーニングは23kg。
結構な重量ですよね。
これが車の片側に積載されるので、車高の高い車でバネが柔らかいと車が少し斜めになるかもしれませんw
オーニング重量があるため、ブラケットも頑丈なものが必須です。使用するラックとの間で適切なブラケットを選択し取り付ける必要があります。

私のラックはフロントランナーのスリムライン2ですので、フロントランナーから出ている大型オーニング用のブラケットを使用しています。ブラケットとオーニングは合計8本のボルトで固定をしていますが、とりつけた際はオーニングのあまりの重さにブラケットを追加しようかと思ったほどです。
それぞれの可能な荷重重量は記載が見つからないので※走行時のGの影響もありますが、、その適切なブラケットと取り付け方法に関しては専門の方(DARCHE. JAPAN)にアドバイスをいただき、取り付けをお任せした方がよいと思いました。
DARCHE JAPANさんいつか訪問してみたいです!!いつかリッジバック(ルーフトップテント)を夢見ています♪

収納のコツ判明
ようやく収納のコツがわかりました。もうこれでチャックがしまらないってことにはなりません!
ポイントはやはり生地を折りたたんだあと、アームを包む感じで生地全体を持ち上げながらベルトで固定する。ということでした。
生地を持ち上げてベルトで固定しますが、ベルトは全部で3ヶ所あります、まずは生地の厚みが一番多くなる中央を止める。これもポイントでした。
まとめ
重量や予備ポールの存在、収納の手間などやはり大型オーニングならではの弱点はありますが、それをもってしてもメリットの方が断然多く、所有欲を満たしてくれる一品です。本当に買ってよかったと思っています。2022年で一番買ってよかったベスト3に入る一品です。
単体での運用としては日差しや、雨を防ぐなどの目的となると思いますが、サイドウォールや、オーニングテント、ルーフトップテントと組み合わせることによってさらに多様な使い方ができると思います。
何よりこれぞオーバーランドというスタイルに変化していくことが個人的には素晴らしく、大満足です。
今後長期にわたり仕様していくことで、メンテナンスのことなども考えていく必要があると思いますので、そのあたりも追って記事にしていきたいと思います。